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ゲーム・エンタメ領域における「公式Discord」の役割とは
近年、ゲームやエンタメ領域で「公式Discordサーバー」を立ち上げる動きが加速しています。
ユーザー同士が集まり、語り合い、情報を交換する場所として、Discordは重要な役割を担うようになりました。
一方で、DiscordはXやInstagramのような拡散型のSNSとは性質が異なります。
ファンの熱量が高いからこそ、設計や運用を誤ると、期待していたようなコミュニティ形成に繋がらなかったり、トラブルを生んでしまったりすることもあります。
本コラムでは、NAVICUSの中でもゲーム・エンタメ業界へのコミュニティ支援を得意としているコンサルティングチーム「ドゥ」が、Discordの特徴や活用事例、運用でつまずきやすいポイントを整理しながら、公式Discordサーバーの支援を行う際に大切にしている考え方をご紹介します!
要点まとめ
- 公式Discordは「つくること」よりも「参加する意味」「訪れ続ける理由」の設計が重要
- 成功事例には、定期的な参加インセンティブの設計という共通点がある
- 運用の成否は、初期設計・ルール整備・目的の明確化に大きく左右される
Discordとは?
Discordは、2015年にリリースされた、テキストと音声でやり取りができるコミュニケーションツールです。
「サーバー」と呼ばれるコミュニティ単位で構成されており、自由度の高い設計ができる点から、当初はゲームユーザーを中心に広く利用されてきました。
現在では、
- ゲームタイトルの公式コミュニティ
- オンラインサロンや学習コミュニティ
- クリエイターのファンコミュニティ
などゲーム以外の領域にも利用が広がっています。
ここで重要なのは、Discordは「SNS」ではなく、クローズドなコミュニティのためのプラットフォームであるという点です。
サーバーに参加しない限り中の様子は見えず、「たくさんの人に向けて広く拡散する」ことよりも、「すでに興味を持ってくれた人たちと深く関わる場」としての役割が大きくなります。
Discordの特徴
ここからは、公式Discordサーバーを運用するうえで、特に押さえておきたいDiscordの特徴を紹介します。
ファン同士がつながりやすい設計
Discordには、同じタイトル・テーマが好きな人だけが集まる場をつくりやすいという特徴があります。
- タイトル別・キャラクター別・イベント別など、話題ごとにチャンネルを分けることができる
- 掲示板のようなスレッド形式で、会話の流れを追いやすい
「ただ情報を見るだけ」の場ではなく、ユーザー同士の会話や共感が自然に生まれる場になりやすいのが、Discordならではの強みです。
運営目線で管理がしやすい
コミュニティ運営の視点で見ると、Discordは秩序を保ちながらの運営がしやすいプラットフォームでもあります。
- サーバールールやガイドラインを運営側で明確に設定できる
- NGワードの自動ブロック、問題のある投稿の削除、ユーザーBANなどが可能
- 専用のチャンネルやツールを使って、コミュニティの状況を可視化しやすい
Xなどでエゴサーチをしながらユーザーの声を追いかけるのとは違い、コミュニティの状態をひとつの場所で把握できる点は、運営側にとって管理のしやすいポイントです。
Botによる拡張性
もうひとつの大きな特徴が、Botによる機能拡張です。
- SNS投稿の自動連携
- 経験値・レベルアップ機能によるゲーミフィケーション
- 問い合わせ管理チケットの発行
- プレゼントキャンペーンの自動抽選
など、目的に応じてBotを組み合わせることで、「人が集まるだけの場所」から「常に動き続ける場」へと進化させることができます。
Discordでできること
では、実際に公式Discordサーバーではどのようなことができるのでしょうか?
Discordでできることはたくさんありますが、一部をご紹介します。
情報発信とお知らせ
- 公式からのお知らせ・アップデート情報
- イベントやキャンペーンの事前告知・当日案内・結果報告
- よくある質問のまとめやFAQチャンネルの設置
XなどのSNSが「多くの人に広く届ける場」だとすると、Discordはすでに作品やサービスに関心を持っているユーザーにアップデートの意図や細かな仕様変更の説明など、一歩踏み込んだ情報共有や対話が成立しやすい場として活用できます。
コミュニティ施策・キャンペーン
- スクリーンショット投稿企画や大喜利、攻略情報募集
- スタンプ/絵文字のアイデア募集
- Discord限定のプレゼントキャンペーン
- ボイスチャンネルを活用したオンライン座談会やラジオ配信
クローズドな場だからこそ、「内輪ならではで楽しめる企画」や「常連向けコンテンツ」が機能しやすいのも特徴です。
サポート・問い合わせ
- ユーザー同士で質問に答え合えるヘルプチャンネル
- Botによる問い合わせチケット管理
Discordを「困ったときにまず来る場所」にできれば、ユーザーとの距離も、タイトルの改善スピードも大きく変わってきます。
2025年のDiscord事例
ここからは、Discordの特性を活かしたコミュニティ設計・運用が参考になるゲーム業界の事例を紹介します。
リリース時の導線設計で一気に拡大
『モンスターハンターNow 公式Discord』
『モンスターハンターNow』では、公式Discordサーバーの開設にあわせて、「サーバーに参加する理由」が明確になる導線とインセンティブ設計が行われました。

具体的には、
- Discord参加人数に応じて、参加者全員にゲーム内報酬を配布
- 公式Xや公式サイトからDiscordへの導線をわかりやすく設置
- サーバー参加後、ミッション達成によってゲーム内報酬を獲得できる仕組みを設計
といった施策を組み合わせることで、開設から1週間弱で約4万人が参加する公式Discordサーバーへと成長しています。
「人数突破=参加者全員に報酬」というシンプルでわかりやすい設計により、Discordサーバーへの参加がゲーム継続行動と自然につながる体験として位置づけられていました。
このように、参加のハードルを下げつつ「入る意味」を明確にする設計によって、短期間での参加者拡大につながりました。
定期的に「訪れたくなる理由」をつくる
『恋と深空 公式Discord』
『恋と深空』の公式Discordサーバーでは、ユーザーが継続的に訪問したくなる仕掛けとして、UGCを起点とした参加型キャンペーンが実施されています。

具体的には、
- ゲーム内機能を使った写真投稿キャンペーン
- イベントの感想や印象的なセリフを投稿する企画
- キャラクターの誕生日にあわせた投稿イベント
など、季節やキャラクターと連動したテーマを定期的に設けることで、サーバーを訪れる「きっかけ」をつくっています。
投稿形式は写真・テキストなどを限定せず、リアクションや投票によって閲覧するだけのユーザーも参加できる設計となっており、参加ハードルを下げつつ、ファン同士の交流を促しています。
このように、定期的なUGC施策によって「Discordに訪れる意味」を継続的に提供している点が、サーバー定着につながっています。
Discord運用で失敗しがちなポイント
一方で、Discord公式サーバーの運用には、つまずきやすいポイントもあります。
「作っただけ」でユーザー任せになってしまう
サーバーを立ち上げたものの、運営からの発信や企画がほとんどなく、ユーザーの自主的な会話だけに頼ってしまうケースです。
この状態が続くと、
- 盛り上げ役のユーザーが離れたタイミングで一気に失速する
- 新規参加者が「何をすればいいかわからない」まま離脱する
といったことが起きやすくなります。
コミュニティは、運営とユーザーの共創で長く続く、という前提を持つことが重要です。
秩序・ルール管理が不十分
参加者が増えるほど、トラブルも起こりやすくなります。
- サーバールールやNGワードが明文化されていない
- 問題行動を報告する窓口がない
- トラブル発生時の対応方針が決まっていない
といった状態では、ユーザー同士の摩擦がそのままコミュニティの不信感につながりかねません。
事前のルール設計に加え、「問題が起きたときにしっかり向き合う」運営の姿勢が、コミュニティの信頼を支える土台になります。
目的が曖昧なまま外部委託し、費用だけがかかる
Discord運用をまるごと外部に任せたものの、
- 何をKPIとするのか
- どのような役割を期待しているのか
が定まっていないため、成果が見えにくいまま月々のコストだけが積み上がってしまうケースもあります。
Discordは「作って終わりの施策」ではなく、運用目的と体制を含めた中長期の設計が必要なコミュニティ基盤だと捉えることが大切です。
公式Discord立ち上げ前チェックリスト
上記で紹介した失敗を防ぐためには、立ち上げ前の設計段階で「何を決めておくべきか」を整理することが重要です。
ここでは、公式Discordサーバーを立ち上げる前に確認しておきたいポイントを、チェックリスト形式でまとめました。
Discord運用設計の参考としてご活用ください。
| チェック項目 | 確認ポイント |
| 目的設定 | 何のためのDiscordか(コミュニティ形成/施策基盤など)目的が明確か |
| 参加の理由 | ユーザーが「入る意味」を感じられる設計になっているか |
| 導線 | 公式サイト・SNS・ゲーム内からの導線が整理されているか |
| ルール | 行動規範・NG行為・対応フローが明文化されているか |
| 運用体制 | 誰が・いつ・どのように対応するか決まっているか |
| KPI | 参加者数/アクティブ率/投稿数など指標を設定しているか |
まとめ
ユーザーと「長く関係性を築ける場」をつくるために
Discordは、不特定多数への認知拡大を狙うSNSとは異なり、すでに作品やサービスに関心を持ってくれている人たちと、長く関係を育てていくための場です。
- 熱量の高いユーザーが自然と集まりやすい
- 公式とファン、ファン同士が双方向にやり取りできる
- Botやチャンネル設計を通じて、運営スタイルに合わせたコミュニティ運用ができる
一方で、
- 「つくっただけ」では育たない
- ルールや体制がないとトラブルに発展しやすい
- 目的設計が曖昧なままでは成果が見えにくい
という難しさも併せ持っています。
ドゥでは、大型タイトルの公式Discordサーバーの開設・運営実績をもとに、国内外の事例やKPI設計の知見を活かした、Discord公式サーバーの開設・運用支援を行っています。
具体的には、
- サーバー立ち上げ・設計
- Bot導入および運用フローの整備
- キャンペーンやコミュニティ施策の企画
- 既存サーバーの改善提案
など、目的や体制に応じたサポートが可能です。
🗣️「Discordを始めてみたいが、何から手をつければいいかわからない」
🗣️「今あるサーバーを、もっと活発なコミュニティに育てたい」
そんなお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。
ファンの熱量を活かしながら、長く愛される場を一緒につくっていければ幸いです。
FAQ
Q.公式Discordは、どのくらいの規模から始めるべきですか?
A. 人数よりも「目的」と「運用体制」の明確化が重要です。数百人規模からでも、参加の意味づけと定期施策があれば、十分にDiscordサーバーを運営する意味になります。
Q.公式Discordと他のSNSは、どう使い分けるべきですか?
A. SNSは認知拡大、Discordは関係性を深めるためと考えると整理しやすくなります。
両者を役割をわけることで、ゲームタイトルやサービスがよりユーザーに愛着を持ってもらいやすくなります。
Q. Discord運用は、社内だけで完結できますか?
A. 小規模であれば可能ですが、初期設計やルール整備、KPI設計に不安がある場合は、外部の知見を取り入れることで失敗リスクを下げられます。
Q. ドゥは、どんなDiscord支援が得意ですか?
A. ドゥでは、公式Discordサーバーの立ち上げから運用改善までを一貫して支援しています。
具体的には、参加のきっかけづくり(導線設計・インセンティブ設計)や、定着につなげる施策設計(UGCキャンペーン、定期企画)、さらにサーバーのルール整備やKPI設計まで、「人を集める」だけで終わらせないコミュニティ運用を得意としています。
