SNSでのファン育成とは、自社の商品・サービスを愛用してくれている方々に耳を傾け、発信や共創の担い手へと段階的に成長してもらうための取り組みです。BtoBtoCメーカー企業がSNSで成果を出すには、キャンペーンや投稿の打ち手に飛びつく前に、まず「傾聴」を通じてユーザーを理解し、傾聴→会話→活性化→支援→統合という5つのステップに沿ってファンとの関係性を深めていくことが重要です。

本ページでは、メーカー企業のSNS担当者の方が、ファン育成の全体像をつかみ、今どのステップにいるかを言語化して次の一手を描けるよう、設計の考え方を段階別に解説します。また、本コラムの内容を凝縮してまとめた「ファン育成フェーズ振り返りシート」をダウンロードいただけます。

目次

SNSファン育成の要点は、次の6つです。

  • 「ファン」とは、自社の商品・サービスを愛用してくれている方全般を指す(インフルエンサーやアンバサダーとは定義が異なる)
  • 従来の広告が効きにくくなるなか、唯一スルーされにくいのは「友人や家族からのオススメ」である
  • 新規獲得を諦めるのではなく、ファンを起点に新規ユーザーを獲得していく考え方に切り替える
  • ファン育成は「傾聴→会話→活性化→支援→統合」の5ステップで段階的に進める
  • どのステップでも最初の土台となるのは「傾聴」であり、ここを飛ばした施策はうまくいかない
  • SNSには「潜在ファン」と「顕在ファン」がおり、キャンペーンを通じて潜在ファンを顕在化させることで影響力が最大化する

本コラムの内容を凝縮してまとめた「ファン育成フェーズ振り返りシート」をご用意しています。

なぜSNSでのファン育成が重要なのか

SNSでのファン育成が重要な理由は、従来の広告が効きにくくなるなかで、ファンの発信こそが生活者に届く数少ない経路になっているためです。

情報過多で、従来の広告が効きにくくなっている

マーケティング部門の多くはビジネスをスケールさせる、すなわち顧客数を増やすことをミッションとしていますが、根本的な課題として、従来の広告効果が年々落ちているという実感があります。

図:インターネット上の情報流通量の推移(2010年→2025年で約90倍)

背景には、インターネット上の情報流通量が直近15年間で約90倍に増えたという情報過多の現状があります(NTT研究開発「インターネットの限界の超越」より)。

広告主・生活者の双方が「広告疲れ」を感じている

情報過多の時代、広告主と生活者の双方が従来の広告に不満を持っています。

  • 生活者の 87.9% が「Webサイトやアプリ上で広告が多すぎると感じた経験がある」と回答
  • 広告主の 70.8% が「生活者の広告疲れにより、広告効果が落ちてきている」と回答

(出典:Rokt「デジタル広告の課題調査」)

マス広告で面を取り、認知・興味喚起で売れるという世界は、そのままのかたちでは成立しにくくなっています。

唯一スルーされにくいのは「友人や家族からのオススメ」

情報が溢れるなかで、生活者が信頼できると感じる相手は限られています。「推奨行動」に関する調査によると、オススメを信頼できると感じる相手として突出して高いのは「友人や親しい人」「家族」の2カテゴリでした。知人・同僚、利用経験者、専門家、インフルエンサー(8%程度)、芸能人・著名人、企業などと比べ、身近な人からの推奨が強い影響力を持つことがデータからも明確に読み取れます。

図:オススメを信頼できると感じる相手(友人・家族が突出して高い)

(出典:ファン総合研究所「『推奨行動』に関する調査」より)

新規獲得を諦めるのではなく、ファンを起点に広げる

ファンベースのアプローチというと「新規のユーザー獲得は諦めるのですか?」と受け取られることがありますが、そうではありません。コアファン(熱量が高く、利用頻度が高く、周囲への推奨意向が強い層)のツボをしっかり押さえ、この層に喜ばれる施策を打つことで、中長期的にじわじわと周囲の類友へ広げていくという考え方です。

図:ファン起点の新規獲得アプローチ(コアファン→潜在ファンへの広がり)

従来の新規獲得方法が潜在層・関心層へ直接アプローチするのに対し、ファンベースはコアファンから動かしていく点で発想が異なります。広告では動かなかった層にも、身近なファンの発信によって行動変容を促せる点が、決定的な違いです。

「うちの会社にファンはいるのか」への答え

「うちの会社にファンはいるのでしょうか」と受け取られることもありますが、基本的には「います」が前提です。「ファン」=「自社の商品・サービスを愛用してくれている方全般」である以上、アクションの仕方や熱量の違いはあれど、どの企業・ブランドにも必ず存在しています。まずはそのファンを可視化し、何を考えているのかを知っていくこと、つまり「傾聴」から始めることが重要です。

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ファンの見つけ方

ファンを見つける第一歩は、SNS上で現状のユーザー理解を深めることです。キャンペーンや投稿企画からいきなり考えるのではなく、顧客理解から入ることが出発点となります。

ソーシャルリスニングでクチコミ周辺の行動を捉える

ソーシャルリスニングとは、SNS上のクチコミとその周辺情報を観察し、ユーザーが何をしているのかを理解するための方法です。

たとえば「ビールが好き」というユーザーがいた場合、単に「好き」という情報だけでは「じゃあ買ってください」以上の打ち手は出てきません。ここで重要なのは、そのユーザーがどんなシチュエーションでビールを飲んでいるか、なぜ好きなのかという文脈です。

ソーシャルリスニングで見える情報の例(「ビールが好き」)

  • 特製サラダと飲むのがたまらん!
  • ソロでゆったりラーメンを啜りたい欲にかられる
  • 週末は草野球の後にみんなで1杯
  • 外気浴後のビール飛ぶわ

(出典:バズグラフレポート「もっともビールといっしょに語られる食品は?SNSでビールを考察」より)

Xなどで商品名をエゴサーチし、投稿の前後やプロフィールを見ていくことで、人物像や生活習慣が浮かび上がります。インターネットリサーチだとお行儀よく答えられてしまう内容でも、SNSで自然に語られる言葉には、リアルな思考や習慣が表れやすいのが特徴です。

クチコミ分析の3つの観点

クチコミ分析では、以下の3つの観点をセットで見ることで、ユーザー動向と実際の声の両面を捉えます。

クチコミ分析の観点

  • クチコミ数推移:話題にされている総量と時期の偏りを把握する(例:土日に増える傾向 など)
  • 共起ワード:特定キーワードと一緒に登場するワードを捉える(例:「ビール」と「ラーメン」「お出かけ」)
  • 期間中クチコミピックアップ:定性の実際の声を拾う。拡散されている投稿だけでなく、「こういう利用の仕方があったのか」と気づける声にも目を向ける

図:クチコミ分析の3観点(クチコミ数推移・共起ワード・期間中クチコミピックアップ)

定量(上段2つ)と定性(下段)を組み合わせてみることで、ユーザー動向の全体像と、意外なユーザーの声の両方を掴むことができます。

グランズウェル戦略によるユーザーの6分類

ファンを分解して捉える際に有効なのが、『グランズウェル戦略』に基づくユーザーの特性6分類です。

分類特徴
創造者自らSNS上でコンテンツを作成し、発信する人々
批評者ネット上のコンテンツに反応する人々
収集者興味深いコンテンツを保存したり、特定のアカウントをフォローする人々
加入者自分のプロフィールを頻繁に更新し、他のユーザーと繋がることを楽しむ人々
観察者コンテンツは見るが、自ら発信したり他者と繋がることはない人々
不参加者前述した活動のいずれにも参加していない人々

図:グランズウェル戦略に基づくユーザー6分類

(出典:Charlene Li & Josh Bernoff, Groundswell: Winning in a World Transformed by Social Technologies, Harvard Business Press, 2008)

自社の商品・サービスに対して、どの分類のユーザー・ファンが多いのか、そして目的から考えてどの属性を増やしたいのかをセットで考えることが重要です。

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ファン育成の5ステップ

ファン育成は、「傾聴→会話→活性化→支援→統合」の5つのステップで段階的に進めます。誰もが最初から熱心なファンになるわけではなく、ユーザーが支持者→ファン→コミュニティの担い手へと段階的に成長していくことを前提とした考え方です。

5ステップの全体像

図:ファン育成の5ステップ全体像(傾聴→会話→活性化→支援→統合)

各フェーズの役割は以下のとおりです。

ファン育成5ステップの役割

  • フェーズ1:傾聴(リサーチ、顧客理解)── ユーザーの声を聴く
  • フェーズ2:会話(メッセージング、コミュニティへの参加)── ユーザーとコミュニケーションをとる
  • フェーズ3:活性化(熱心な顧客の影響力拡大、クチコミの最大化)── 熱狂的なファンに力を与える
  • フェーズ4:支援(顧客同士の協力を支援)── ユーザー同士が助け合える仕組みを作る
  • フェーズ5:統合(ビジネスプロセスに統合)── ファンと一緒に開発・改善する

※『グランズウェル』の5つの戦略より作成

なお、この5ステップの前提として共通するのは、まず最初に「傾聴」があるという順序です。うまくファンと一体になっている会社・ブランドの最終段階(リアルイベントなど)だけを真似しても、そこまでに積み上げられてきた傾聴と会話のプロセスが飛んでいると、ファン育成はうまくいきません。

フェーズ1:傾聴 ── 生活者の声に耳を傾ける

傾聴は、生活者の声に耳を傾け、ニーズや不満を理解するフェーズです。社内で「ユーザーの声を聞いている」と言っても、見ている場所は人によってバラバラ(問い合わせ窓口、SNSクチコミ、リアルイベントでの声 など)になりがちなため、どこを重視して見るかの目線合わせも重要になります。

SNSでできる傾聴の手法

  • UGCモニタリング:コメント欄・DMなどでユーザーの声を確認し、フィードバックを把握する
  • 投稿の反応分析:公式アカウント投稿への反応(いいね・コメント数など)をデータで分析し、興味度を傾聴する
  • ハッシュタグ検索・タグ付け投稿分析:ユーザーの興味を理解する
  • キーワード分析:話題やトレンドを把握する
  • ソーシャルリスニングツール活用:ブランド名や商品名の言及を追跡する(競合他社とのベンチマーク比較も有効)
  • アンケート機能・質問スタンプ機能:リアルタイムにニーズや意見を収集する

リスニングツールを活用する場合は、自社ブランドだけでなく競合やベンチマークと比較しながら見ることで、「年末に増えているのは世の中のトレンドなのか、自社の打ち手が効いているのか」といった判断ができるようになります。

傾聴の事例

傾聴が実際にどのように施策や商品開発に活きるかをイメージしやすくするため、いくつかのケースを取り上げます。

日清食品:カップヌードル「スーパー合体シリーズ」

SNSをウォッチしてソーシャルリスニングを実施していた担当者が、あるユーザーが「複数の味を混ぜて食べている」ことを発見。調査を進めると、複数のアカウントで同様の投稿を確認でき、カップヌードル以外にも「美味しいものを合体させる食べ方」が話題になっていたことが発覚。この発見を受けて、カップヌードル発売50周年の記念商品として、既存の味を組み合わせた「スーパー合体シリーズ」が誕生しました。n=1の顧客の声から、斬新なアイデアの新商品開発につながった事例です。

図:日清食品カップヌードル「スーパー合体シリーズ」の傾聴事例

エリエール(大王製紙)公式X:ライフスタイルの傾聴

エリエールの公式Xでは、商品についてユーザーの声を募集するだけでなく、「キャンプで使った食器はいつ洗いますか?」「お風呂の防カビ対策はどうやってますか?」といったライフスタイルに関する傾聴・提案も行っています。

商品への直接の質問に限らないライフスタイル傾聴を起点に、自然な商品提案へと広告感薄くつなげている点が特徴です。Xのアンケート機能(投票機能)を活用して、投票結果をふまえた次の投稿作成にもつなげています。

ファミリーマート公式X:投稿をフックに実態調査

ファミリーマートの公式Xでは、投稿をフックに生活者の実態を調査し、商品訴求へとつなげています。

共感的・率直な投稿で商品宣伝色の薄い親しみやすさを演出しつつ、選手権やツッコミの余白のある投稿でUGCを増やしています。投稿そのものが生活者のニーズの受け皿となり、消費者の本音を把握しやすくなる設計です。

Tabio 靴下屋公式X:商品改善のための傾聴

Tabio(靴下屋)の公式Xでは、商品改善のためにX上で積極的な傾聴を実施しています。Xユーザーのお困りごとに対して引用ポストで解決策やオススメ商品を提案し、商品の使用感や欲しいカラーなどはリプライ・アンケート機能・フォームを活用して募集、開発に反映しています。

「言うだけならタダ、欲しいタイツの色をリプで選んでください」のような、商品化が未確定の段階でも率直に意見を募る姿勢を見せることで、会社としての一緒に作る姿勢を伝え、コミュニケーションを活性化しています。

図:Tabio 靴下屋公式Xの商品改善のための傾聴事例

フェーズ2:会話 ── 双方向のコミュニケーションを育む

会話フェーズでは、一方的な発信ではなく、双方向のコミュニケーションを育み、対話を通じて関係を築きます。一方的な発信に留まっている場合、それは広告の面を増やしているのと同じになってしまうためです。

会話フェーズの施策例

  • リプライ返信、コメントへのリアクション
  • ゲーム参加型のコミュニケーション投稿
  • ユーザー協力型の投稿(「いいねが◯◯いったら〜」など、反応すること・会話すること自体に価値がある投稿)

「個別に全部返信するのは無理」というケースでも、コメントがたくさん来た際に「皆様の中ではこういうお声が多かったですね」と全体に対して返すかたちでも、立派な会話になります。大切なのは、ちゃんと見ている姿勢が伝わることです。「全然コメントが来ない」という悩みの多くは、会話姿勢があるように見えないことに起因しています。

フェーズ3:活性化 ── 熱心なファンに力を与える

活性化フェーズでは、会話と傾聴のなかで見えてきた熱心なファンや支持者に力を与え、共感や発信を後押しします。

活性化フェーズの施策例

  • プロジェクト参加者をSNSで紹介する
  • ファン限定イベントに招待する
  • コミュニティリーダーに任命する

たとえば、ゲームのファンが自発的にイベントを開きたいと言ってくれているケースでは、公式のノベルティをコミュニティリーダーに提供し、集まった方にも限定ノベルティを配るといった後押しが考えられます。リーダーの集客力とプレゼンスが上がり、「もっと盛り上げ役になりたい」という気持ちを後押しする仕掛けになります。

フェーズ4:支援 ── ユーザー同士が助け合える仕組み

支援フェーズでは、ユーザー同士が助け合える仕組みをつくります。活性化フェーズはできているが支援フェーズに行けていないケースは多く、声の大きな影響力のあるファンばかりに集中してしまうと、ライトな層や新規の層が置いていかれてしまいます。この両者が共存できる関係・居場所をつくるのが支援フェーズの役割です。

支援フェーズの施策例

  • Q&AコミュニティやFAQサイトの立ち上げ
  • ファン同士が情報交換できるSNSグループの作成
  • ユーザー投稿型のレビュー・ハウツー記事の掲載

コアなファンが持っているレビューやノウハウを新規ユーザー向けに開き、互いの寛容度を上げていく設計が有効です。

フェーズ5:統合 ── ファンと一緒に開発・改善する

統合フェーズでは、ファンと一緒に商品やサービスの改善・開発を進めます。コミュニティの成功事例でよく見られる段階で、ユーザーニーズにマッチした商品・サービスが生まれやすくなり、売上や継続率の向上にもつながります。

統合フェーズの施策例

  • コミュニティサイトで「こんな商品があったらいいな」を募集する
  • ファンコミュニティ内に商品企画部を結成する
  • ファンミーティングを実施する
  • 戦略会議にファンを招待してプロジェクトを結成する
  • クラウドソーシングでアイデアを募集する
  • ベータ版のテストにファンも参加してもらう

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現状のフェーズを振り返る

ファン育成の5ステップを理解したうえで重要なのは、自社・自ブランドが今どのフェーズにいるかを言語化することです。基本的には左(傾聴)から順に進めていき、どこができていて、どこに挑戦中で、どこに穴があるのかを確認します。

振り返りシートの構成

振り返りシートで言語化する項目

  • 現状のフェーズ:今どのステップにいるか/できていること・できていないこと
  • 理想の状態・目指す姿:どのフェーズまで、いつまでに到達したいか
  • ユーザーにとってほしい理想のアクション:何を、どのくらいの規模感で

図:ファン育成フェーズ振り返りシートの記入例

たとえば記入例としては、

「現状のフェーズ:傾聴。ソーシャルリスニングはしているけれどアプローチできておらず、会話が深まっていない」

「理想の状態:1年後までに活性化プロセスを目指す。特に熱心なファン発信者をSNS上で10人欲しい」

「理想のアクション:アンバサダーのような役割を担い、個人のSNSでブランドや商品に関するポジティブな投稿をしてもらいたい。まずは10人のコアファンが月1件以上投稿」

といったかたちです。

仮でも理想の状態を設定し、今とのギャップを書き出すこと──この言語化のプロセス自体が、次にどのフェーズに投資するかの判断につながります。

SNSでファンの影響力を最大化するには

ファン育成の5ステップに加えて、SNSならではの観点として押さえておきたいのが、「潜在ファン」と「顕在ファン」の違いです。

潜在ファンと顕在ファン

SNS上のファンには、大きく2種類があります。

潜在ファン/顕在ファンの違い

  • 潜在ファン:発言は特にしないが、製品・サービスが本当に好きで、日常的に触れている層
  • 顕在ファン:製品・サービスが好きで日常的に触れており、かつSNS上で発言もしている層

図:潜在ファンと顕在ファンの違い

「毎日食べているけれど誰にも言ったことはない」層と、「今日もこれを食べた」とSNSに載せる層の境目には、発言のきっかけの有無があるだけ、ということも少なくありません。

キャンペーンで潜在ファンを顕在化する

傾聴は強力な手法ですが、クチコミを1つもしていない潜在ファンは、傾聴だけでは見つけられないという限界があります。ここで有効なのがキャンペーンです。キャンペーンをきっかけに「せっかくだから投稿してみようかな」と、潜在ファンが発信するきっかけを提供できます。

事例:サントリー公式X「#今年のボジョレー飲みたい」

サントリーのボジョレーヌーヴォー解禁キャンペーンでは、ボジョレーにあまり馴染みのない20代・30代にリーチさせつつ、毎年ボジョレーヌーヴォーを楽しみにしているが発信はしていなかった潜在ファンを顕在化させることを目的に、投稿ハッシュタグを設計しました。

キャンペーン設計のポイント

  • ハッシュタグ:`#今年のボジョレー飲みたい` ── 新商品名のハッシュタグではなく、ユーザーが普段使いやすい共感フック
  • 目的:ボジョレーヌーヴォー解禁の話題化
  • 結果:11/16の解禁日にXトレンド1位を獲得、熱量の高いUGCも多数獲得(「待ちに待ったボジョレーヌーヴォー解禁日」「今年はこれ飲みます」など、普段発信しないユーザーの声が集まった)

図:サントリー「#今年のボジョレー飲みたい」キャンペーン事例

キャンペーンの本質は「自然に発言できる場」を提供すること

SNSキャンペーンに対しては、「好きでもない人に無理やり発言させるものではないか」という懸念を持つ方もいます。世の中にはただクチコミ数を増やすことが目的のキャンペーンも存在しますが、本質的ではありません。

すでにブランドに好意や関心を持っている潜在的なファンが、自然に発言できる・発言しやすい場を提供すること。これが、キャンペーンを通じて目指すべき方向性です。生活者のリテラシーは高くなっており、プレゼント目当ての発言はすぐに見抜かれます。顕在化しているファンの声のなかから潜在ファンのニーズを見つけ、そのニーズに合わせてキャンペーンを企画することで、熱量が乗った声で盛り上がりが広がっていきます。

最後に

SNSでのファン育成で成果を出すには、まず「傾聴」から始め、5ステップを順に進めていくことが重要です。次の流れに沿って取り組むことで、短期的な打ち手ではなく、長期的に価値を生み出せるファンとの関係性が構築できます。

  1. 「ファン」の定義を、自社の商品・サービスを愛用してくれている方全般として揃える
  2. ソーシャルリスニングとユーザー6分類で、現状のファンを可視化する
  3. 傾聴→会話→活性化→支援→統合の5ステップで、段階的に関係性を深める
  4. 自社・自ブランドが今どのフェーズにいるかを言語化し、理想とのギャップを洗い出す
  5. キャンペーンを通じて、潜在ファンを自然に発言できるかたちで顕在化させる

本内容を1枚のシートに整理した「ファン育成フェーズ振り返りシート」は、ページ下部のフォームよりダウンロードいただけます。現状のフェーズ把握と、次の一手の設計にご活用ください。

本コラムの内容を凝縮してまとめた「ファン育成フェーズ振り返りシート」をご用意しています。

よくある質問(FAQ)

Q1. SNSでのファン育成は、新規ユーザー獲得を諦めるという考え方なのですか?

いいえ、諦めるのではなく、ファンを起点に新規を獲得していくという考え方です。コアファンに喜ばれる施策を打つことで中長期的に周囲の類友へ広がっていき、広告では動かなかった層にも、身近なファンの発信なら届くという効果が得られます。

Q2. 「うちの会社にファンはいない」と感じているのですが、ファンはいるのでしょうか?

基本的にはいます。「ファン」=「自社の商品・サービスを愛用してくれている方全般」である以上、アクションの仕方や熱量の違いはあれど、必ず存在しています。まずはソーシャルリスニングなどでファンを可視化し、何を考えているかを知るところから始めるのが第一歩です。

Q3. SNSで流行っているトレンドと、自社の運用方針をどう両立させればよいですか?

軸になるのは、自社のファンが何を望んでいるかの傾聴です。ファンがトレンドに敏感であれば新しいチャレンジをしてもよいですが、流行しているからと乗っかるだけでは「会社らしくない」「ブランドらしくない」と思われることもあります。クチコミのなかからヒントを見つけ、場合によっては新しい取り組みについて直接聞いてしまうことも有効です。

Q4. ストレートな商品紹介だとエンゲージメントが低くなります。アピール感を出さずに投稿するコツは?

目の前に対象のユーザーがいたら何と言うか、という接客のイメージから逆算するのがコツです。まずターゲットのニーズを傾聴で把握し、「こんなあなたにはこれが素晴らしいですよ」というストーリーから発信することで、ただの商品宣伝ではなく有意義な情報提供になります。SNS上のコミュニケーションは、リアルの接客にかなり近いという前提で設計することが有効です。

Q5. 企業のSNS担当者に必要な資質は何ですか?また、育成できるものですか?

もっとも重要な資質はホスピタリティです。ファンに楽しんでもらいたい、自社を好きになってもらいたいという気持ち、および担当者自身がその自社のファンであることが核になります。業務指示でやらせて身につくものではないため、若手採用では接客経験の有無も参考になります。育成については、モチベーションの持ち方やレポートのフォーカスの当て方(ネガティブな声だけでなく前向きな声も拾う など)を通じて、適切な目線の向け方を身につけてもらうアプローチが有効です。

  • ☐ 定量・定性・改善点の3ステップで分析する計画を持っている

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